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グランプリを受賞した鈴木綾子さん(中央車いす)と夫の正之さん(その後方)=東京都中央区
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  出会って結婚する前の自分が知らない夫の姿を描いた。それなのに夫婦で障がいに向き合った年月の重みが表現されている。そんな絵が最優秀賞を射止めた。仙台市の鈴木綾子さん(48)は12月4日に都内であった表彰式で顔を紅潮させた。「絵を描き始めて5年で、こんな賞をいただけるなんて、信じられません」

 現役のプロスポーツ選手や漫画家の高橋陽一さんらが審査員を務める障がい者アートのコンテスト「Doronkoパラリンアートカップ2024」(障がい者自立推進機構主催、どろんこ会グループ協賛、朝日新聞社など後援)は8回目を迎えた今回、252点の作品を集めた。6人が受賞し、グランプリに輝いたのは、重量挙げ選手だった夫の現役時代の姿を絵にした鈴木さんの『国体優勝の夫』だ。審査委員長の櫛野展正さんは「想像やイメージではなく目の前にある事象を丁寧に描いていて構図もいい」と評価した。

右利きを左利きに 苦労報われた

 右半身がまひしたのは、42歳のときだ。首の後ろの腫瘍(しゅよう)を治療せずにいたことから脊髄(せきずい)髄内腫瘍(しゅよう)を発症。血流が滞り、冬場は右半身が動かなくなる。車いす生活になってほどなく、支援施設で絵画に出会い筆を持った。24年に入って個人レッスンにも通い始めたが、苦手という人物画に挑戦しようと思ったのは、若き夫の写真を古いアルバムで目にしたことからだ。

 夫の和之さん(50)は25…

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