人気ドラマに多数、出演していた元俳優の松永博史さん(55)は3年前に芸能界を引退後、芸能人のセカンドキャリアを支援する仕事をしている。この世界の光も影も味わったからこそ、見えてきたことがあるという。
「もともと50歳を過ぎたら俳優は引退し、自分がやりたい仕事をやろうとずっと考えていました」
- 早期退職の「孤独」乗り越え、元電通マンが50代で見つけた居場所
1989年に大手芸能事務所「ホリプロ」からデビューし、2021年8月に引退するまで32年間、在籍した。
事務所の先輩、片平なぎささんが主演するドラマ「赤い霊柩(れいきゅう)車」シリーズに20年以上、出演。夜のサスペンス、昼メロドラマ、舞台、CMなどで活躍した。40歳半ばまでドラマなどの仕事は途切れることなく入ってきたという。
しかし、2008年のリーマン・ショック以降、目に見えて昼のドラマ、夜のサスペンス枠が減った。ドラマ出演のオーディションの最終選考で落ち、その役に決まったのは有名俳優だったと知り、驚いたことも。「仕事全体が減っていると実感する場面が多くなった」
2人の子どもが大学を卒業するまではと、セカンドキャリアを模索しながら俳優業を続けたところ、コロナ禍が直撃。「もう限界かなと思った」
「仕事とお金がない」と叫んだ俳優の妻
芸能人は仕事探しでも苦労が絶えません。どん底を見た松永さんは後輩たちのセカンドキャリアを支援しようと動きますが、うまくいきません。そんなとき、元プロ野球選手が手を差し伸べます。
松永さんはホリプロと特定受…