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自民党派閥の裏金問題をめぐり、石破茂首相(党総裁)は28日、党の再調査をする考えはあるかと問われ、「国会での真相解明に協力せねばならない」として明言を避け、再調査に否定的な見解を示した。衆院予算委員会で立憲民主党の野田佳彦代表の質問に答えた。
安倍派の会計責任者(当時)・松本淳一郎氏についての聴取が27日に行われ、松本氏は当時の幹部から還流再開の求めがあり、22年8月の幹部会議で再開が決まったと語った。さらに松本氏は東京地検特捜部の任意聴取に対し、還流再開を求めた幹部について、下村氏の名前を挙げていたことが朝日新聞の取材で分かっている。
野田氏は、「新しい事実が出てきた」と指摘し、下村氏ら幹部を含めた再調査が党内で必要ではないかと迫ったが、首相は「我が党の問題で政治不信を招いている。真相解明に向けて、国会の努力に全面的に協力する」と述べるにとどめた。