2027年度の開通を予定する静岡県内の新東名高速の工事区間が、未来の「自動運転社会」実現に向けた実験場になっている。高速道路上での事故をなくすため、道路と自動車が瞬時に情報をやりとりする「路車(ろしゃ)協調」と呼ばれる技術の実証が目的だ。
乗用車が高速道路の路上で突然止まった。走行中に故障したようだ。後続車が追突すれば、大事故にもつながりかねない。乗用車は車載センサーを介して情報を後続車に伝える。同時に、道路に設置されたカメラの情報も、後続車に伝えられた。こうして情報を受けた後続の自動運転トラックは、時速80キロから50キロに減速し、車線も変更。故障した乗用車をさけて無事に通り過ぎた――。
こんな実験が6月下旬、静岡県御殿場市で報道陣に公開された。現場は新東名高速の建設工事中の区間で、27年度に開通予定だ。遮音壁や掲示板の設置などはこれからだが、すでに舗装された道路ができあがっている。一般車両が入ってこないため、実験にはうってつけだ。センサーやカメラなどの機器の取り付けも融通が利く。
7月末まで23件の技術を磨く
実験は、コンサルタントの「…