無料検査で使う検査キット=2025年2月20日午前9時47分、大阪市中央区、岡純太郎撮影

 4月開幕の大阪・関西万博で、森永乳業と、検査事業を手がける「ヘルスケアシステムズ」(ヘルスケア社、名古屋市)が、来場者4万人を対象に腸内細菌について無料検査を実施する。会場内のブースで、結果やオススメ食材などを伝える。

 ヘルスケア社によると、腸はこれまで消化・吸収が主な役割と考えられてきた。ただ近年では免疫機能の強化や脂肪のつきにくい体づくりにも重要な役割を果たしているとの研究成果が相次いで報告されているという。こうした研究を背景に腸の健康に取り組む「腸活」という言葉も生まれた。

 万博では検査希望者の便を事前に提出してもらい、ビフィズス菌やブラウティア菌など代表的な5種の腸内細菌の割合を調べる。結果は大阪ヘルスケアパビリオン内にある森永乳業のブースで確認でき、健康づくりのための食事や生活習慣についてアドバイスも行う。閉幕後もヘルスケア社のウェブサイトで結果は確認できる。

 検査キットは、国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」とヘルスケア社が共同で開発。目的の腸内細菌に特化して吸着する特殊な抗体を活用する。従来に比べ安価に、そして大量に検査ができるようになったという。

 検査の希望者は、来場予定日の5週間前までに同パビリオンの公式アプリから申し込み、検査キットで便を採取して返送する。

 ヘルスケア社の滝本陽介社長は20日にあった万博ブースの構想発表会で「一人ひとりが、自分の腸の状態を知ることで、日々の健康への意識を高めてもらえればうれしいです」と話した。

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