帝国データバンクは10日、医療脱毛サロン「アリシアクリニック」を全国で運営する医療法人社団美実(みじつ)会と、関連の一般社団法人八桜会の2法人が東京地裁から自己破産手続きの開始決定を受けたと発表した。負債は2法人合わせて約124億7133万円で、債権者数は約9万1818人という。
東京商工リサーチによると、美実会は全国に約40店舗を展開。俳優を起用した広告で知名度を高め、2021年4月期の売上高は163億1540万円。しかし、コロナ禍の影響や同業との競争激化などから集客に苦戦し、23年4月期は7539万円の最終赤字を計上した。
八桜会は脱毛サロン「じぶんクリニック」を約20店舗展開し、7月1日に店舗名を「アリシアクリニック」に変更していた。
法人側「未施術分の返金、極めて難しい」
2法人がホームページで公表した発表文によると、施術代を現金で前払いしていた場合、未施術分の返金は「極めて難しい状況」という。事業を停止しており、予約の有無にかかわらず、今後施術も受けられないという。
クレジット契約の場合は「お客様とクレジットカード会社との間の契約になります」とした上で、クレジットカード会社に直接問い合わせるように呼びかけている。
脱毛サロンをめぐっては、全国展開していた「銀座カラー」の運営会社エム・シーネットワークスジャパン(東京)が昨年12月に破産手続きに入り、債権者は約10万人に上った。
帝国データバンクによると、今回倒産した2法人はエム・シーネットワークスジャパンのグループ法人として事業展開していたが、11月ごろにグループを離脱していた。