福島県白河市議会の北野唯道市議(84)=無所属=が、議会事務局の職員にストーカー行為やパワーハラスメントを繰り返したとして、同市議会は24日の臨時議会で、北野市議への辞職勧告決議案を全員賛成で可決した。
決議や同市議会政治倫理審査会報告書などによると、北野氏は昨年12月、同氏の担当をしていた議会事務局の女性職員に対し、私的な内容の手紙を渡したり職員宅に贈り物を届けたりといったストーカー行為をした。その後も手紙の返事を書くよう迫ったうえ、仕事中の職員のもとを頻繁に訪ねたり、個人の携帯電話に出るよう強要したりした。
職員が迷惑している旨を伝えると、他の職員がいる場で責め立てたり、事務局に担当を交代させるよう求めたりした。女性職員は心労で通院することになった。
北野氏は議会事務局の他の職員に対しても、大勢の前で怒鳴りつけたり、「うそをついた」などと言いふらしたり、電話で脅すような発言をしたりした。
辞職勧告決議に法的拘束力はない。北野氏は旧大信村議を含め市議に5回当選し、定数24人の現市議会で最年長。昨年末から病気を理由に議会に出席しておらず、審査会の意見聴取も欠席した。この日の臨時議会も欠席したが、事前に提出した弁明書では「女性職員が仕事が忙しく家に帰るのが遅いと聞き、職員やその子どもをかわいそうに思い手紙やプレゼントを渡した。議会は事実を歪曲(わいきょく)している」としている。(斎藤徹)