
2人で一緒に舞台に立つのは楽しい。四十年来の俳優仲間の浅野和之と段田安則は、そう語る。新たな共演作「やなぎにツバメは」が7日、開幕する。ひたひたと寄せる老いの寂しさ、もつれる思い――。還暦をとうに過ぎた大人たちの心のひだを描く、横山拓也の新作(寺十(じつなし)吾(さとる)演出)だ。
2人の出会いは、1987年。当時段田が所属していた、野田秀樹率いる劇団「夢の遊眠社」に、浅野が入団した。
以前から、互いの舞台は見ていた。演劇集団「安部公房スタジオ」を経て劇団「電劇」で活躍していた浅野を、段田は「何しろ芝居が面白い。憧れの先輩でした」。浅野も、段田について「若い時から安定感があって、すごいと思いました」。
92年に「夢の遊眠社」が解散した後も、折に触れて共演してきた。昨年は、段田が主人公を演じた「リア王」に、浅野が家臣のグロスター伯爵役で出演した。
「セリフは膨大にあったから…