中国の習近平（シーチンピン）国家主席は10日、欧州訪問の日程を終えてハンガリーから帰国の途についた。訪れた3カ国とは一定の協力関係を築いて外交の成果を誇ったが、中国製品の輸出攻勢に対する欧州側の懸念を払拭（ふっしょく）できず、溝を露呈する旅ともなった。
習氏は9日、ハンガリーのオルバン首相と会談し、インフラ整備や貿易など経済分野を中心に18の合意文書を交わした。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に欧州連合（EU）加盟国では最初に参加したハンガリーは、ブダペストの空港と市中心部を結ぶ鉄道などの整備の準備で新たに合意した。
中国が競争力を高める電気自動車（EV）の分野でも、昨年12月に中国大手BYDが欧州初の工場建設を発表している。今回の会談では充電設備の配備などで一致し、中国からの投資受け入れを加速させる。中国にとっても、欧州市場に浸透する足がかりを固める利点は大きい。
習氏、みせたしたたかさ
さらに、会談後に発表された…
