連載「老いていく親と私」 反響編(前編)
9月に連載した「老いていく親と私 介護編」に、たくさんの反響が寄せられました。その声を、2回に分けて紹介します。
前編は、仕事と介護の両立に悩む女性たちからのお便り。まずは、看護師の仕事を続けながら、二人の「母」の介護と向きあう女性の声です。
同時多発に起きる問題、仕事との両立いつまで
覚悟していたとはいえ、我が家の「婆二人問題」。果たしていつまで続くのだろう? と向きあってきた。
60歳を過ぎたこの年で親を見るのは、普通のことではある。私の周りの同級生たちも、みなそれぞれ親の介護に携わっている。我が家が今の状態になることは何となくは予想もついていた。
夫の母は、長野県におひとり様で暮らし、慢性心不全を抱えながら、サービス付き高齢者住宅で生活。9月に新型コロナ感染症にかかり入院した。私の母は、2019年にレビー小体型認知症が発覚。今年3月から急きょ、介護老人保健施設(老健)にお世話になるまでは、私と同じ市内に住み、おひとり様で暮らしていた。独居の生活を私や弟、孫が支え続けてきた。
同時多発テロのように問題が頻発し、目の前に突き付けられると、本当につらい。実の母親に「山に捨てられたと思った」と言われると、認知症が言わせた言葉であることは十二分にわかっていても、涙が出てくる。
介護離職はしないと私も決め…