釈迦の死(涅槃(ねはん))を悼み、弟子や動物たちが集まって嘆く。そんな情景を表した涅槃図の中でも風変わりな作品が、東京都内の二つの展覧会で紹介されている。いずれも、空間でダイナミックに展開されている。
東京国立博物館で開催中の「法然と極楽浄土」展で、ひときわ目をひくのが「仏涅槃群像」(江戸時代、17世紀)だ。涅槃図が、この作品では木彫群像で立体化されているのだ。
高松市の法然寺にある82体のうち、今展では26体を展示。釈迦像の体長は3メートル近く、嘆き悲しむ弟子たちの像も表情豊か。周りには、ゾウやサル、ヘビなどがずらっと置かれている。
静嘉堂@丸の内での「画鬼 …