線状降水帯による大雨で河川が氾濫(はんらん)し、周辺が浸水した=2023年7月10日午後3時56分、福岡県久留米市、朝日新聞社ヘリから、山本壮一郎撮影

 過去15年間に発生した約500回の線状降水帯のうち、約74%は夜から朝にかけて発生していたことが、気象庁気象研究所の分析でわかった。時期別では、7月をピークに全体の8割超が6~9月に集中していることから、気象庁は特に警戒を呼びかけている。

 分析では、3時間降水量80ミリ以上の雨域が500平方キロメートル以上広がっている▽5時間以上ほぼ同じ場所に停滞している▽強雨域の形が線状――などを線状降水帯発生の条件と設定。2009~23年に国内で計496回発生し、うち日中と比べ避難のリスクが高い午後6時~翌午前9時(15時間)は369回(74.3%)に及んだ。時間別では、午前5時台が36回と最多で、午前2時台が34回と続き、午前9時~午後6時の日中は軒並み20回未満だった。地域別では、九州地方の西側や四国地方の太平洋側での発生が目立ったという。

 月別では、7月が157回で最も多く、梅雨期から台風シーズンの6~9月が416回(83.8%)と大半を占めた。

「半日前予測」の必要性

 夜間は上空の雲が冷やされ…

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