世紀の大彗星(すいせい)になるかと期待される「紫金山・アトラス彗星」の撮影に、高知県津野町の津野天体観測所が成功した。10月中下旬には肉眼でも見える可能性が高いという。撮影した小沢祐二さん(70)は「彗星を肉眼で見られる機会はめったにない。スマホでも撮影できそうなので、ぜひ挑戦して欲しい」と話している。
- 高知で南十字星が見える? 向かった山中、オレンジの光に「まさか」
光学機器メーカーの五藤光学研究所(東京)が運営する同観測所では、20センチ反射望遠鏡などを使って5月から同彗星の観測を開始。9月24日午前5時前、東の空の地平線近くで撮影に成功した。明るさは3~4等程度で、このときは肉眼で確認することはできなかったという。
同彗星は、2023年に紫金山天文台(中国)などが発見した。天文ファンの間では、肉眼でも観測できる「大彗星」になると期待されている。
小沢さんによると、9月いっぱいは夜明け前の東の空で見えるが、肉眼での観測は難しい。10月中下旬には日没後の西の空で、長い尾を引く彗星の姿が確認できそうだという。「太陽系に初めて近づく彗星で予測が難しいだけに、今からどんな姿が見られるかわくわくする」と話している。(羽賀和紀)