記者会見をする小林製薬の役員たち。左から、社長に就任予定の豊田賀一執行役員、小林章浩取締役、山根聡社長=2025年2月10日、大阪市、福岡龍一郎撮影

 小林製薬は10日、2024年12月期決算の説明会を開き、紅麴(こうじ)サプリメントによる健康被害への補償がなかなか進んでいない現状を明らかにした。海外ファンドと委任状争奪戦を繰り広げている19日の臨時株主総会については、ファンド案への反対姿勢を改めて明確にした。

 この日発表した24年12月期決算は、売上高が1656億円(前年比4.5%減)、営業利益が248億円(同3.6%減)。純利益は100億円(同50.5%減)で、1999年の上場以来初めての減益となった。

 広告中止や通信販売の解約で売り上げが落ちた。製品の回収・補償費用で127億円の特別損失を計上したことも響いた。

 特別損失は、一般向けのサプリの回収▽企業向けの紅麴原料の回収・補償▽健康被害への補償――の三つの費用を各40億円強とみて算定した。

 サプリの回収はほぼ終わった…

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