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2020年7月、米テキサス州の石油採掘施設の前で演説するトランプ大統領=ロイター

 トランプ米大統領は就任初日、国家エネルギー緊急事態を宣言し、石油を掘りまくると主張しました。しかし、エネルギー事情に詳しい日本総研調査部の栂野(とがの)裕貴研究員は「掘りまくれない」と言います。トランプ氏がカナダやメキシコに関税で脅しをかけるなか、資源輸入は日本にとって米政権に切れる交渉カードにもなりそうです。

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 ――トランプ政権のエネルギー政策とはどんなもので、何がしたいのでしょうか。

 トランプ氏の政策は、バイデン政権の再生可能エネルギーや電気自動車(EV)に偏重した脱炭素色の強いエネルギー政策から、脱炭素を無視して原油や天然ガス生産を最大化し、経済活動を国内で活発化させようとするものです。

掘りたくても「掘りまくれない」

 ――トランプ氏は、原油を掘りまくってガソリン価格を下げると言っていますが、できるのでしょうか。

 そんなに掘れないと思います…

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