2023年10月18日、イスラエルを訪問したバイデン米大統領(右)を出迎えるネタニヤフ首相=ロイター

連載「米イスラエル関係の深淵」(全3回の初回)

米イスラエルの「特別な関係」を読み解く連載。2回目は、米国の世代交代やイスラエル政府の右傾化で揺らぎ始めた両国関係の変化に迫る。

 米国がイスラエル支援を続けた理由は、伝統的な米イスラエルの友好関係だけに帰せられるわけではない。バイデン大統領(81)の属人的要素も大きい。歴代大統領の中でも「とりわけイスラエルへの感情的な思い入れが強い」と評される。

 バイデン氏はかつて、イスラエルのネタニヤフ首相に写真を贈り、こんな言葉を書き添えたことがある。「ビビ(ネタニヤフ氏の愛称)、あなたのことは好きだ。だが、あなたのとんでもない発言には同意できない」

 この思いは今も同じだ、とバイデン氏は最近も語っている。パレスチナへの敵意を隠さないネタニヤフ氏に対し、バイデン氏は手を焼き、いら立ちをみせることも多い。ガザでイスラエルが引き起こしている人道危機については、「あまりにも多くの市民が殺傷され続けている」などと苦言を呈する場面も目立つ。

バイデン外交の根底にある親イスラエル感情

 それでもなお、イスラエルと…

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