写真・図版
高齢社会対策会議で発言する岸田文雄首相(手前から3人目)。「高齢社会対策大綱」には、年齢にかかわらず支え合う社会の構築などを盛り込んだ=2024年9月13日、首相官邸、岩下毅撮影
  • 写真・図版

【連載】老いる韓国 「超高齢化」のリアル 第6回

 韓国の人口問題を多角的に検証するシリーズの第3弾は、高度経済成長を経て高齢化や人口減が進みつつある姿を追った。そこで浮き彫りになった課題は、日本にも多くの示唆を与えてくれる。その一つが、急増する高齢者の貧困や孤立化への対応だ。

 かつて農業が中心だった時代は、大家族で子どもも多く、子どもが親を養う「私的扶養」が成り立ちやすかった。多世代が同じ屋根の下で暮らすことで、高齢者を敬う意識も育まれやすかったと考えられる。

  • 【オンラインイベント】取材した記者と専門家が議論する「記者サロン」の登録はこちらから

 だが、産業化が進み、働き手が農村部から都市部へと移り、少人数の核家族が増えていった。高齢になっても働ける農業と違い、工場などで働く場合、一定の年齢になると退職する。働き手が限られるなかで、賃金を得られなくなれば貧困に陥ってしまう。

【連載】老いる韓国 「超高齢化」のリアル

日本を上回るペースで進む韓国の「超高齢化」について報告します。超少子化、移民に続き、韓国の人口問題を考えるシリーズの第3弾となります。全9回。うち第5回までは韓国の現場の動きを紹介。第6回は日韓連携の可能性を探ります。第7回以降はインタビュー編となります。

  • 【第1弾】「出生率0.72」の韓国 超少子化社会のリアル
  • 【第2弾】「移民」争奪戦 韓国のリアル

 そこで、多くの国では、家族…

共有