【動画】受け皿になるために 問われる野党

前衆院事務総長の向大野新治氏
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 権力闘争よりも政策論争――。一部の野党はそう訴える。裏金問題で自民党がガバナンスを失うなか、「受け皿」となるべき野党はそれだけでいいのか。国会職員の立場から国会の駆け引きを見てきた前衆議院事務総長の向大野新治氏(67)に、野党は今どう戦うべきかを聞いた。

 ――3月1日に立憲民主党の議員が本会議で、記録が残る限り過去最長の2時間54分の演説を行いました。新年度予算案の年度内の自然成立を阻止するための戦術ですが批判もありました。

 国民から見るとあまり好きなやり方ではなく、「もっとやるべきことがある」と苦々しく思う人もいるだろう。しかし、あの「2時間54分」があったから、立憲は自民を水面下での交渉の場に引っ張り出すことができた。そして自民派閥の裏金問題などに関する4月以降の衆参予算委員会の集中審議の開催などの譲歩につながった。これは自民にとって本来、やりたくないこと。数で劣る野党の国会での役割は、おかしいことはおかしいと指摘し続けることであって、静かに座して採決で反対することではない。

 ――立憲の日程闘争に日本維新の会や国民民主党は冷ややかです。野党の足並みの乱れが、与党を利する形です。

 自民の基盤が強固な状況下で、闘争を仕掛けても何にもならないとあきらめているのではないか。国民民主が(ガソリン税一時的引き下げの)「トリガー条項」にこだわったように、たとえ補完勢力と呼ばれても、目に見える果実を支持者に還元して存在感を出したいのだろう。

 維新や国民民主は、国会を「政策実現の場」と捉え、「権力闘争の場」でもあるとの認識が薄いようだ。

 ――野党は権力闘争にもっと注力すべきなのでしょうか。

 社会科の教科書では国会を…

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