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馬渕教室の柳川健士高校受験事業部長=2024年12月17日、大阪市、稲垣大志郎撮影

 今年度から大阪で段階的に始まった高校授業料の「完全無償化」。大手学習塾「馬渕教室」の柳川健士・高校受験事業部長は、中学受験への影響も指摘する。北野高校などのグローバルリーダーズハイスクール(文理学科設置校)を含めた今後の高校入試への影響も聞いた。

 ――昨春の大阪府内の公立高入試で、全日制など145校のうち70校が定員割れしました。

 定員割れした富田林や鳳(おおとり)(堺市)、槻(つき)の木(高槻市)はうちの教室に通う生徒も受験する学校です。結構人気があったところなので、意外と言えば意外。卒業生や上の世代の人はびっくりしますね。

 ――70校が定員割れした背景や要因は。

 府教育委員会による定員調整で募集人員が増えて、その結果、定員割れした学校もあると思います。また、無償化の影響もあると思います。

 ――公立より私立が選ばれる傾向になっているのはなぜでしょうか。

 大学の付属校や大学名を冠したコースを設置する私立の方が進学しやすいという判断をしている家庭も増えていると思います。公立と私立の進学実績を比べたときに、「これだったら私立専願にしようかな」という判断もあると思います。昔は授業料のことがあって何が何でも公立だという話はよく聞きましたが、授業料の無償化で私立を選択肢に含める世帯は増えてきていると思います。

 ――北野高校などグローバルリーダーズハイスクール(文理学科設置校)への影響は。

 もし文理学科設置校10校に…

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