水素社会の構築に向けて、国内でも効率的な水素の製造や活用を進めようと試行錯誤が始まっている。

 甲府市南部の米倉山にある、山梨県営の水素研究開発拠点「米倉山電力貯蔵技術研究サイト」。

山梨県の米倉山電力貯蔵技術研究サイトにある水電解槽。この装置で水を電気分解し水素を製造する=2024年2月、甲府市、市野塊撮影

 体育館ほどの建物には水を電気分解して水素をつくるための電解槽や、水素をためるための設備が並ぶ。今、この場所は東レやNTTドコモなど、様々な企業が集まる実験場になっている。

 県によると、元々は企業誘致のために造成した土地だったがうまくいかず、メガソーラーを設置。その電力の蓄電技術の実証実験場を2014年に開設した。

 16年からは次世代エネルギーとして注目度が高い水素に特化。年間45トンの水素製造が可能な設備を備えた。昨春から関心のある企業を呼び込んでいる。

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 各企業はこの水素を使い、電…

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