雪に埋まった墓地には、ウクライナ侵攻で戦死した兵士が埋葬された一角があり、無数のロシア国旗がはためいていた=ロシア・シベリアのノボシビルスク=2025年2月14日
  • 【連載】新しい祖国を探して 「ロシア人村」から見た侵攻3年④

 「生まれた場所でこそ役に立つ」という有名なことわざがロシアにはある。多くの人が国を離れる一方、国内では国民に「愛国心」を求める声が強まっている。

 雪に埋まった墓地の一角に、無数のロシア国旗がはためいていた。慰霊碑には「特別軍事作戦(ウクライナ侵攻)で祖国のために亡くなった兵士が埋葬されている」と彫られている。

 ロシア・シベリアの中心都市ノボシビルスクの墓地を2月中旬に訪ねた。墓石に描かれた生前の写真や絵には、戦闘服で銃を構えたポーズのほか、タキシード姿やバイクに乗った姿もあった。

 「あなたは命より大切だ」「この世界でも、別の世界でも、いつも一緒だ」「戦争が終わり、平和が来ると信じている」など、遺族の悲痛な思いも書かれていた。

 少し離れた場所では、墓に部隊の旗を立てている女性がいた。契約兵に志願した夫が昨年12月、ウクライナ東部ドネツク州で亡くなった。夫の父が眠る墓の近くに埋葬したかったという。

 毎週のように墓を訪れる。「…

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