「現場をやっている人たちは2、3人の小さな業者ばっかしなもんですから。何とか全力あげて払っていかないとですねえ」
馬毛島(鹿児島県)の99%の土地を所有していたタストン・エアポート(東京都)の代表取締役だった立石勲は2019年秋、関係企業との会議でこんな風に語っていた。
馬毛島とは関係ない工事を発注している下請けへの支払いにも窮していた。
それでも、自らも小さな会社から身を起こした立石としては、下請けへの支払い遅れは避けたかったのだろうか。
周囲は下請けへの支払いを遅らせることを勧めたが、うなずこうとしなかったという。
立石にとって挽回(ばんかい)の一手が、馬毛島を国に売ることだった。
が、金額が折り合わず、しだ…