2月、東京・永田町。秋田市にある公立の国際教養大(AIU)2年の大矢玲菜さん(21)は、衆院議員会館の一室で元首相の菅義偉氏と向き合っていた。
菅氏は日本版ライドシェアの旗振り役だ。大矢さんは交通の便が悪いAIUで、学生同士の乗り合い交通事業を提案。事業化にあたって、ライドシェアの導入も一案だった。
ただ、有償のライドシェアはタクシー会社と連携しなければならず、時間がかかる。さらなる規制緩和が期待されたが、国の出先機関に聞いても情報は一切出てこなかった。
面会は秋田県議の仲介で実現。菅氏はライドシェア導入の意義を熱心に語り、いま以上の規制緩和は難しいだろうとの見通しを示したという。「ライドシェアはあきらめ、学内完結型のサービスでやってみようと背中を押された」。大矢さんの構想が一気に動き出した。
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