太陽光発電所への出力制御が増えている(本文の企業とは関係ありません)

A-stories ソーラー発電はいま

 「太陽光発電事業の収益悪化のため、事業者が事業継続を諦めつつある」「銀行も、『はしごを外された』という思いをもっているのが偽らざるところ」

 大阪府守口市の不動産開発業「東洋生興」の前川正敏専務(51)が研究者と書いたコラムが、京都大学の再生可能エネルギー関連の講座のホームページに掲載されたのは約1年前の2023年10月のことだ。

 同社は8年前に太陽光発電事業に進出し、順調に事業を拡大。全国で25カ所、計約9メガワットの太陽光発電所を展開するに至った。

 だが、この2年間は新規案件が1件もない。大きな要因が、発電を一時的に止める「出力制御」だ。同社は春と秋、出力制御の対応に追われる。太陽光の発電量が多く、冷暖房需要が少ないため、電力消費量を上回るからだ。売電収入は見込みを下回り、事業が赤字に落ち込むことすら懸念される発電所も出ている。

 さらに太陽光ならではの受難もあった。

 5月21日朝、前川さんのス…

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