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テイラーさんが使っている、預金や支払いの管理をするためのアプリ画面=2024年12月4日、英ロンドン、杉山歩撮影

 新NISA(少額投資非課税制度)が始まって1年、今では成人の「4人に1人」がNISA口座を持つようになった。「貯蓄から投資」への動きが加速している。日本だけでなく、お隣の韓国でも似たような投資制度が普及する。それらのルーツをたどると、約25年前に創設された英国の制度にさかのぼる。

  • 知っておきたい新NISA 今や4人に1人、「将来」託す制度の中身

 灰色の雲が空を覆う12月のロンドン。観光客でごった返す中心部から少し離れたカフェで、自動車の営業をしている、テイラー・ルイス・メドフォードメイジャーさん(25)は、こう言った。

 「ここでの生活費はとても高い。税金のかからない貯金方法があるのは本当に助かります」

 テイラーさんが大学を出て働き始めた約3年前に始めたのが、「ISA(アイサ)」(個人貯蓄口座)だ。

「どう活用してる?」ロンドン市民に聞くと

 貯蓄の少ない英国人の意識を変えることなどを目的に、1999年から始まったISAは、預金も投資もできる。預金は利息、投資は利益分が非課税となる。年間2万ポンド(約394万円)の拠出が上限だが、日本とは異なり、生涯の拠出限度額に制限はない。

 テイラーさんも少額から積み…

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