ルトゥケ・パリ・プラージュ――。19世紀終わりにパリジャンのためのリゾート地が作られたことからその名がついた海辺の町には、都会の喧噪(けんそう)を忘れさせる穏やかな空気が流れている。
ドーバー海峡を望み、パリの富裕層が別荘を構える。商店が並ぶ町の中心部に、茶色いれんがと三角屋根が目を引く3階建ての一軒家がある。
- 国民の怒り生んだ「賭け」 エリート大統領が「嫌われ者」になるまで
「もう終わった人」
すぐ近くの市場で買い物をしていたカルラ・ウディオンさん(79)は、この家の主をそう形容し、切り捨てた。
2017年、39歳の若さでフランス史上最年少の大統領となったマクロン氏だ。
休暇になると、妻のブリジット氏と訪れる別荘。この町は夫妻のお気に入りで、有権者登録もしている。
町の中心部に住むスージーさ…