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2016年8月、米コロラド州デンバーで行われたロッキーズ戦で大リーグ通算3千安打を達成し、チームメートのゴードンと抱き合って喜ぶマーリンズのイチロー=杉本康弘撮影
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 イチロー氏(51)が日本時間22日に有資格1年目で米殿堂入りを果たした。しかも、圧倒的な支持を得ながら。

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 理由となる指標は様々あるだろう。よく言われるのは27歳でデビューしたのにもかかわらず、選出の目安といわれる大リーグ3千安打(3089安打)や500盗塁(509盗塁)に到達したことだ。

 1年目のMVPと首位打者、2004年の年間最多262安打記録の樹立、前人未到の10年連続200安打……。指標となりうる記録は多い。02年に27回敬遠されるなど、リーグトップの敬遠を受けたシーズンは3度もある。

 殿堂入りは全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上在籍する記者による投票で決まる。今回は394人が投票し、イチロー氏に入れなかったのは1人だけ。野手では史上初の満票での選出はならなかったが、2020年の元ヤンキース、デレク・ジーター氏(397人中396人が投票)とほぼ同じ評価を受けた。

 なぜ、これだけの支持を集めたのか。大リーグ関係者に理由を聞いて回った。

「本塁打を打たない選手」への評価

 最も共感できたのが、マーク・マクレモア氏(60)の意見だった。01~03年にイチロー氏とはマリナーズで同僚。現在はレンジャーズの試合中継で解説者を務めており、昨年7月にテキサス州アーリントンで取材に応じてくれた。

 「3千安打はもちろんすごい…

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