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台湾積体電路製造(TSMC)の工場周辺では、地下水量の維持のため、コメを作らず水張りをする水田が増えている=7月、熊本県菊陽町、渡辺淳基撮影

 世界最大の半導体受託製造会社、台湾積体電路製造(TSMC)が進出した熊本県北部の菊陽町や大津町周辺の水田で、異変が起きている。そう聞いて取材をはじめたのは6月、この地域の田植えが最盛期を迎えた頃だった。

 近く本格稼働を始める第1工場に、用地の造成がはじまったばかりの第2工場も含めて、総投資額3兆円とされる巨大工場から数百メートル。工場の白い外壁を見上げる水田地帯を歩くと、「異変」はすぐに目に入った。

 時期が来ているのに、田植えがはじまる様子がない。水を張ったまま、ため池のようになった水田が広がっていた。

農家「本当はコメ作りたいけど…」

 なぜ田植えをしないのか。大…

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