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もう一つの戦争 西岸からの報告
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 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の北部ジェニン市の東部でレストランを経営するカッサム・アズムーティさん(29)は8月30日、店に取り付けた監視カメラから送られてくる映像を自宅でぼうぜんと見つめるしかなかった。そこに映ったイスラエル軍のショベルカーは店の入り口を壊し始め、とたんに画面は白い粉じんに包まれた。

  • ヨルダン川西岸、過去20年最大規模の軍事作戦 イスラエルの狙いは

【連載㊤】もう一つの戦争 西岸からの報告

 ガザでの戦闘が始まって、まもなく1年。イスラエルは西岸でも攻勢を強め、占領政策を変化させて住民の生活に大きな影を落としています。国連が「もう一つの戦争」と呼ぶ現場から報告します。

 8月末からイスラエル軍が10日間にわたって西岸北部の複数都市で展開した「対テロ作戦」について、国連人権高等弁務官事務所は「過去20年に例がない規模」と表現。空爆や砲撃も使った作戦では子ども8人を含む36人が死亡したという。この間、住民は危険を避けるために自宅から出ることができなかった。

 アズムーティさんは「自分も家族も武装組織との関わりはなく、なぜ私の店が壊されたのか見当もつかない」と話す。

 ジェニン市内の難民キャンプの一角では、沿道のすべての家のコンクリートの壁が壊れていた。地元住民によれば、イスラエル軍の大型ブルドーザーが通るときに破壊されたのだという。

「第3次インティファーダ」起きるのか

 キャンプの住民サービスの責…

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