12年に一度の「御開帳」で姿をみせた国宝の本尊・十一面観世音菩薩立像=2024年11月3日京都市東山区の六波羅蜜寺、清水謙司撮影

 「市聖(いちのひじり)」と呼ばれた平安時代の僧侶・空也(くうや)ゆかりの六波羅蜜寺(京都市東山区)で3日、国宝の本尊「十一面観世音菩薩(ぼさつ)立像」の12年に一度の御開帳が始まった。

 本尊は高さ約2・6メートル。疫病などが続いた平安時代中期、苦しむ人々を救うことに力を尽くした空也の発願でつくられたとされる。

 ふだんは厨子(ずし)に安置されている秘仏で、直接その姿を拝むことはできない。御開帳は干支(えと)の辰年(たつどし)にある習わし。初日のこの日は、人々が朝から長い列をつくり、厨子から姿をあらわした本尊に手を合わせていた。

 「空也の寺」とも呼ばれる六波羅蜜寺は、口から6体の阿弥陀仏が出た姿の「空也上人立像」や、平清盛坐像(ざぞう)などが有名だ。本尊の御開帳は12月5日まで。(清水謙司)

共有
Exit mobile version