震災、競技種目のパラリンピックからの除外、出産からの復帰――。幾多の困難を乗り越え、パリの舞台に挑む選手がいる。パラリンピック陸上女子砲丸投げ(上肢障害F46)に出場する斎藤由希子選手(31)=SMBC日興証券。初出場となる舞台で目指すのはメダルの獲得だ。
6月中旬、斎藤さんは福島市の信夫ケ丘競技場で黙々と砲丸を投げていた。2017年に結婚を機に福島市に移り住み、練習に励んできた。
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宮城県気仙沼市出身。生まれつき左腕のひじから先がない。幼い頃からスポーツが好きで、中学校ではバスケットボール部に入ろうとしたが、「チームスポーツは迷惑を掛けるかも」と悩んだ。そんなとき、担任から砲丸投げを勧められた。片手で投げられ、障害があっても「フラットに戦える」という魅力にひかれた。始めてみると、地区の中学生の大会では負けなしだった。
高校入学後は、トレーニングの一環として、円盤投げややり投げにも取り組み、インターハイ出場を目指した。
そんな生活が一変したのは高…