ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク【レビュー/評価】戦闘シーンには既視感を覚えるものの、QTEとイベントを織り交ぜた見せ方は他社の追随を許さない。親子・家族をテーマにしたストーリーも完璧 | ゲームナナワリ

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6
点数評価 90点
(前作を遊んでいる場合限定)
プレイ状況 難易度バランスでクリア
トロフィー:%
プレイ時間 約25時間
発売日 2022年11月9日
対応機種 PS4/PS5
プレイ機種 PS5
開発元 SIEサンタモニカスタジオ
発売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ジャンル アクション
ジャンルの考え方

総評/評判/感想

神々を題材にした神ゲーの続編は、やはり神ゲーだった。ゲーム開始直後から飛ばし気味なので、前作を未プレイの場合はついていけなくなるが、前作をプレイ済みであれば絶対に最後まで見届けて欲しい。クレイトスパートの戦闘は新鮮味に欠けるが、演出面はパワーアップしており十分に面白い。また、前作から評価の高かった探索中の豊富な会話は、話し相手のバリエーションが増えて更に満足度が向上している。グラフィックについては、フレームレート重視のパフォーマンスモードで遊んでいることを忘れてしまうような美しさだ。

ユーザビリティ

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コストパフォーマンス

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ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは、ギリシャ神話から北欧神話にゲームの舞台を移した新生ゴッド・オブ・ウォーシリーズの完結作。フィンブルの冬が到来し、遂にラグナロクによる崩壊に直面した九界を旅し、予言に抗おうとする親子のストーリー。

パーフェクトなストーリー展開

前作からダイレクトにつながる

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは、前作ゴッド・オブ・ウォーを遊んだことがある前提のストーリーだ。前作では、“妻を亡くした夫”と“母を亡くした息子”の二人が、決して良好とはいえない関係性の改善を試み、時には悪化させながらもお互いの距離を詰めていくというヒューマンドラマが全編を通じて描かれていた。

本作では前置きは殆ど無しに、前作にて息子バルドルを失ったフレイヤの復讐劇から始まり、前作ラストで予告編的に挿入されていたトールの襲撃が立て続けに描かれる。

復讐に燃えるフレイヤについては前作をプレイしないと分からない。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク トールの襲撃
予告通りにトールが登場。

ストーリーを重視するシリーズ作品は、前作の未経験者を配慮して序盤はスローペースに回想を含めながら進むことが多い。それに対してゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは、新たな冒険の幕開けにしては、アクセルを踏み込み過ぎたかのような怒涛の展開が繰り広げられる。

前作は全世界で2,300万人のプレイヤーを獲得した大ヒット作品だ。そのため、プレイヤー数は既に十分であり、それらの満足度向上にターゲットを絞り、最初から全速力で突き進む方が良いという判断をしたのだろう。

親子愛・家族愛をテーマにした秀逸な展開

前作ゴッド・オブ・ウォーは、口下手で戦い以外をロクに知らないクレイトスと、反抗期真っ只中のアトレウスが、反目しながらも親子愛を深めるストーリーだった。

両者の関係は前作で良好になったと思いきや、前作の最後に自らの死の予言を知ったクレイトスは、子が少しでも早く独り立ちできること願い更に厳しく接するようになった結果、本作では息子との関係を再び悪化させている。一方でアトレウスも本作の途中で父の死の予言を知り、予言を回避するべく四苦八苦することになる。

言葉足らずや隠しごとによって、クレイトスとアトレウスがすれ違うという展開は、前作でも繰り返し見てきた。しかし本作においては、両者がクレイトスの死の予言を、お互い自分しか知らないと思い込んでいることが根底にある。自身の死を前提に最善を尽くそうとするクレイトスと、巨人の戦士ロキとしての力を駆使して何としても予言を回避しようとするアトレウスが擦れ違う様子は、実に琴線に触れる展開に仕上がっている。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク キレるアトレウス
前作同様にすれ違う二人。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 和解する二人
前作同様に和解する二人。

すれ違いを続けるクレイトスとアトレウスを見守る仲間たちは、既に家族のような存在になっており、生首の知の巨人ミーミルは最早もう一人の父親のような存在だ。また、ドワーフの鍛冶屋であるブロックとシンドリも、何かと親子を気に掛けて声をかけてくれる。手厳しい指導を黙って聞くクレイトスの様子は見物だ。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク アドバイスするブロック
厳しいがしっかりとアドバイスしてくれるブロック。

本作では、フレイヤとバルドルの親子関係、オーディンとトールの親子関係、トールと子供たちの親子関係が、クレイトスとアトレウスの親子関係と対比して描かれる。ネタバレになるので詳細は記載しないが、様々な親子や家族の形を通じて、変化していくキャラクター達の心境を存分に楽しみめる傑作に仕上がっている。

探索途中の会話バリエーションが増加

前作ゴッド・オブ・ウォーでは、世界の探索中に絶えず会話が用意されており、探索に飽きが来ないことが大きく評価されていた。しかし、クレイトスとアトレウスのやや噛み合わない会話に対して、生首のミーミルが助け舟を出すという会話のパターンが圧倒的に多かった。また、会話相手の少なさから似たような展開が多く、やや食傷気味であったことも事実だ。しかし、本作では会話相手のバリエーションが一気に増えたことで、満足度は大きく向上している。

前作ではクレイトスの戦闘をサポートするのは息子のアトレウスだけだったが、本作ではシーンに合わせて同行者が複数用意されている。アトレウスが不在の際には、和解したフレイヤや、ドワーフのブロック、シンドリが同行することがあり、アトレウスを操作するシーンでは、巨人族の生き残りであるアングルボザ、敵陣営のトールやその娘スルーズが同行することもある。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク フレイヤの装備
フレイヤは装備の変更も可能になる。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク アトレウスパートのイベント
アトレウスパートでは子供同士で奮闘することも。
Sara

Sara

絶え間なく流れる会話の豊富さは従来のままに、雰囲気が全く異なっている。

ちなみに、仲間との会話には、普通にプレイしていると聴けないものが幾つも用意されている。例えば下の動画は、ストーリー序盤にユグドラシルの根元に居るニーズヘッグに対して、リヴァイアサンを投げつけた際に限定して聴ける、アトレウスの辛辣なリアクションだ。このような限定の会話を探して回るのも面白いだろう。

バトルは新鮮さを感じないが、それでも圧倒的に面白い

パワーアップした苛烈な戦闘表現

ゴッド・オブ・ウォーのバトルの特徴と言えば、バイオレンスという言葉が具現化したような、クレイトスの荒々しく豪胆なファイトスタイルだ。

愛する妻から譲り受けた戦斧リヴァイアサンを片手に、身の丈の何倍もあるようなドラゴンに立ち向かったり、素手で獰猛な野生生物を締め上げたりと、実にパワフルに戦い続ける。レイジゲージが溜まれば雄たけびを上げて鉄拳を叩き込み、よろめいた相手にはR3ボタンの押し込みで、Z指定も納得の残忍なフィニッシュムーブを決めるシーンは圧巻だ。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク ニーズヘッグ戦
ドラゴン相手にも物怖じない。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク フィニッシュシーン
同行者にフィニッシュを任せるシーン。

特にボス戦においては、指定されたボタンを押すことで進行するクイックタイムイベント (QTE)や、ボスの体力を削った際に挿入されるイベントシーンなどが折り重なり、暴力的でありながらもドラマチックで息を吞む展開を味わうことが出来る。

下の動画は、ゲーム最序盤にトールと初めて接敵するシーンだ。クレイトスはリヴァイアサン、トールはミョルニル、両者ともに遠近両用の武器を振り回して戦う様子は、序盤でありながらもクライマックスのような雰囲気を醸し出している。

このような粗野だがプレイヤーを虜にする魅力を秘めた戦闘シーンは、前作ゴッド・オブ・ウォーの時点で既に完成されていたものだ。本作ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクでは、それが更に洗練されたといったところだろう。大型のボス敵が出て来る度に、一体どのような展開を見せてくれるのかと期待が膨らみ、あらゆるシーンにおいてプレイヤーの期待を裏切らない。

クレイトスの戦闘は既視感を覚える

前作では物語の中盤から戦斧リヴァイアサンに加えて、双剣ブレイズ・オブ・カオスが使用可能になったが、本作では最初からどちらの武器も利用することが出来る。両武器共にモーションは殆ど作り直されており、新規アクションも多数追加されているが、戦闘シーンにおいてプレイヤーが得られる経験は前作とさほど変わらない。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 装備画面
属性のチャージを始め、新しいアクションもあるが新鮮味は欠ける。
Sara

Sara

新鮮味は余り感じないが、バトルの面白さがそれを捻じ伏せる。

また、戦斧と双剣に続く第3の武器として、ストーリー中盤にドラウプニルという槍が追加される。増殖を続けるドラウプニルの指輪から作り出された槍は、投擲後に手元に戻ってくるまで待つ必要があるリヴァイアサンと異なり無限に投擲することができるため、クレイトスの遠距離戦闘能力を大きく向上させる。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク ドラウプニル
ドラウプニルもルーンアタックを2種類装備可能。

ゲームをクリアするだけであれば、リヴァイアサンで殴り続けるだけでも良いが、斧・剣・槍を巧みに切り替えながら、それぞれに設定した合計6種のルーンアタックを巧みに使いこなせば、まさしく戦神のような動きが出来る。

しかしながら、戦斧と双剣の時点で既にアクション数としては十分であり、2種類を使いこなした時点でプレイヤーはテクニカルな操作に対する満足度は限界に近付いているので、戦闘シーンからプレイヤーが得られる経験は大きくかわらない。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクのバトルは、既視感を圧倒的な演出で押さえつけるような作品である。前作同様に長尺なゲームなので、プレイ途中で飽きが来ないか不安ではあったが、適度に操作キャラクターがアトレウスに切り替わるお陰で最後まで飽きることは無かった。

遠距離主体のアトレウスを挟むことの有難さ

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクを最後まで飽きずにプレイ出来たことには、アトレウスが主人公となるパートの存在も大きい。アトレウスパートはクレイトスとは一転し、弓を使った遠距離攻撃が主体となる。ルーンアタックに相当する部分はハヤブサやオオカミを召喚する攻撃となり、レイジゲージを消費すれば自身がオオカミに変身して攻撃を出来る。全くスタイルの異なるアトレウスを挟むことは、豪快過ぎるクレイトスの丁度良いクールダウンになっていると言えるだろう。

Sara

Sara

仮にアトレウスパートがもっと短ければ、個人的には評価を少し下げた可能性あり。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク アトレウスの攻撃
弓で殴ることも出来るが、基本は遠距離戦。
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク アトレウスのクマに変身
イベントによってはクマにも変身。

なお、アトレウスパートの最初の宝箱を開けるシーンは必見。ノーマルランク宝箱は鉄拳でこじ開けるクレイトスを真似たアトレウスに訪れる悲劇。面白くもあり、心の底ではクレイトスを嫌っておらず目標にしていることが表現されている実に良いシーンだ。

パフォーマンスモードでも驚くべき程に美しい

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクには、フレームレート重視のパフォーマンスモードと、映像重視のグラフィックモードの2種類が用意されている。最近は2種類のモードが用意されている作品が多く、例に漏れずゴッド・オブ・ウォー ラグナロクもモードを選択することが出来る。本作はパフォーマンスモードでも十分過ぎるほどに美しいので、フレームレートを犠牲にしてグラフィックモードを選択する必要はないだろう。

激しい近接戦闘が繰り広げられる作品なので、初期設定でパフォーマンスモードを選んだはずだが、余りに美しいので間違ってグラフィックモードを選んでいないか念のために確認したほどだ。

九界の様々な風景も美しいが、何と言っても頻繁にアップで映し出されるクレイトスの肌の質感に注目したい。刻み込まれた深い皺や数々の傷跡からは、年齢不詳の戦い続ける半神の歴史を感じる取ることが出来るはずだ。

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 壁に張り付くクレイトス
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 高い壁を見上げる
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 月蝕シーン
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 深い森
ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク クレイトスのアップ
Sara

Sara

グラフィックモードに変更すればより綺麗になるが、フレームレートを犠牲にする程ではない。

評価ポイントのまとめ

ゴッド・オブ・ウォー ラグナロクは、やや戦闘に既視感を覚えるものの、戦闘の面白さ、ストーリーの奥深さ、映像の美しさなどはどれも一級品だ。

ただし、前作ゴッド・オブ・ウォーを遊んでいない場合、ストーリーの面白さを100%堪能することは出来ない。メニュー画面から、前作の流れを簡単におさらいできるが、これはあくまでプレイ済みのプレイヤーの記憶を呼び覚ますための物。前作の廉価版を買っても良いし、PlayStation Plusコレクションで遊んでも良いので、前作と今作セットで楽しんでもらいたい。

長所

  • ストーリーの面白さ
  • 常に話し続ける仲間達
  • バトルの面白さ
  • 戦闘、QTE、イベントの見せ方

短所

  • アクションの新鮮味は無い

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

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