中国の無人探査機「嫦娥(じょうが)6号」が月の裏側の土を持ち帰ることに成功した。月探査をめぐる国際的な競争は、激化している。
- 月の裏側の土を採取し地球に帰還 中国の無人探査機、史上初
米国のアポロ計画の後、月をめぐる探査は長い空白期が続いた。だが、2019年に嫦娥4号が初めて月の裏側に着陸すると、2カ月後、米国が人類を再び月に送る「アルテミス計画」を発表。再び各国が科学技術力を誇る舞台になっている。
「五星紅旗が月の裏側で広げられた。月の裏側で国旗を掲げるのは初めてのことだ」。試料を採取した嫦娥6号が月面を離れた4日、中国国営中央テレビのアナウンサーは力強く伝えた。
打ち上げから月面着陸、地球への帰還に至るまでの54日間、その動向は中国で連日報じられた。カメラが捉えた月面の映像を壮大な音楽にのせて繰り返し流すなど、国威発揚の意図を隠そうとはしない。
11日には、将来の有人月探査などを担う宇宙飛行士候補10人が発表された。その目玉は、香港とマカオ出身の科学技術者が初めて選ばれたことだった。香港の李家超(ジョン・リー)行政長官は「香港全体が誇りに思う朗報であり、非常に心が奮い立たされる」と中央政府への感謝を述べた。
香港メディアの記者は市民か…