北海道・知床半島沖で小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で、運航会社「知床遊覧船」の社長、桂田精一容疑者(61)が逮捕された。事故後、観光客の減少にも向き合ってきた知床の人々は、隣人の逮捕をさまざまな思いで受け止めた。
「やっとか」
地元の男性は、逮捕の知らせに約2年半という歳月を感じた。事故当日、カズワンの乗客を見送った。航海を楽しみにする乗客の顔が、今でも目に浮かぶ。
当日は天候が悪化する予報が出ていた。「今日はおすすめしないよ」。出航前、乗客と立ち話をした際、そう思っていたのに言えなかった。船長には「波も出ているし行かない方がいい」と伝えたが、「お客さんがいるから」と難しそうな顔をしていた。
これからも事故の記憶ととも…