写真・図版
大丸松坂屋百貨店の宗森耕二社長=2024年8月27日、東京都江東区、上田幸一撮影

2030 SDGsで変える

 購買行動が多様化するなか、百貨店は変化をどう受け止め、持続可能な社会づくりに動いているのでしょうか。全国に15店舗を展開する大丸松坂屋百貨店の宗森耕二社長に聞きました。

 ――難しい時代のかじ取りで重視していることは。

 創業は400年以上前という長い歴史と伝統のなかで、お客さまと信頼関係を築きながら、社会の変化に対応してきました。今は持続可能性を高めることが事業活動にも地球にも必要なので、小売りとしてできることを実践し、見える化することを重視しています。

 具体的には「Think GREEN」「Think LOCAL」「Think SMILE」の三つをキーワードに掲げて進めています。グリーンは地球環境の再生と事業活動の両立、ローカルは地域の魅力発信、スマイルは当社にかかわるすべての方の人権を尊重することです。

再生利用や売り切りでフードロス削減

 ――リサイクルやリユースにも力を入れていますね。

 循環型の買い物の提案として、2016年から衣料品・靴・バッグを回収する「エコフ」という活動をしています。回収箱を常設しているほか、店舗ごとにキャンペーンを実施して買い物に使えるアプリクーポンを配布しています。店舗から出る廃食用油を航空燃料の原料に提供する仕組みも広げています。

 ――食品廃棄の処分量と削減率の公表に注目しています。

 食品売り場の責任者もしてい…

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