みなさん、こんにちは。前回のニュースレターでは、プーチン大統領が一昨年5月にイスラエルのベネット首相(当時)に謝罪をしたエピソードを紹介しました。ラブロフ外相の「ヒトラーはユダヤ系だった」というトンデモ発言にイスラエルが強く反発したため、謝罪に追い込まれたのです。
ニュースレターの末尾で、私は「プーチン氏が他国の首脳に謝罪するのは、極めて珍しいことです」と書きました。実際、これ以外の例を私は知りませんでした。ところがニュースレターを目にした方から「プーチン氏が謝った例が、もう一つあります」というご教示をいただきました。
プーチン氏が謝罪した相手は、セルビアのブチッチ大統領。2020年9月のことでした。
ニュースレター[駒木明義と読むロシアから見える世界] 登録はこちら
ロシア情勢が専門の駒木明義論説委員が書き下ろす「駒木明義と読むロシアから見える世界」は、有料会員限定で隔週水曜にメールで配信します。
きっかけとなったできごとは、旧ユーゴスラビアのセルビアとコソボによる経済関係の正常化です。かつてセルビアの自治州だったコソボは独立を目指し、90年代に武力紛争に発展。コソボは08年に一方的に独立を宣言しましたが、両国はその後も互いを国家承認していません。
反目しあう両国の合意を仲介…