警察庁は19日、能登半島地震における警察の活動から得た大規模災害時の対応についての課題と対策をまとめた。SNS上でうその救助要請などが相次いだことから、警察がつかんだ偽情報をSNS事業者に提供し、迅速な削除につなげる仕組みをつくるなどした。
能登半島地震では発災直後から、X(旧ツイッター)などのSNS上で、救助を求める偽情報の投稿や、偽情報と知らずに転載するなどした誤情報が相次いだ。7月には、被災者を装ってうその救助要請を投稿して警察の捜索活動を妨げたとして、石川県警が男を偽計業務妨害容疑で逮捕した。
対策として警察庁は、救助活動に支障が出たり社会的混乱を生じさせたりする恐れのある違法な情報などを警察が把握した場合、SNS事業者に情報を提供し、削除などを優先的に行ってもらう枠組み作りを始めた。10月に事業者に申し入れた結果、一部の事業者は違法な情報に関する専用窓口を設置したという。
能登半島地震の被災地では、警察が犯罪防止などのため避難所や街頭などに計約1千台の防犯カメラを設置した。これをふまえ、災害時に被災地に派遣する部隊の一つとして「特別犯罪抑止部隊」を新設し、防犯カメラの設置場所の選定や設置、管理などに専門にあたるという。
装備資機材の整備も進める。悪路でも走行可能なバン型四輪駆動車や小型軽量の電動機材、防寒用品、有線・無線を切り替えられるタイプのドローンなどを今年度補正予算で要求している。