詩人の新井高子さんは、東日本大震災で被害を受けた岩手県大船渡市を訪ねては、地元の女性たちと交流を重ねてきた。最新詩集「おしらこさま綺聞(きぶん)」(幻戯書房)は、この地域の方言を思わせるような、濁りを含んだ独特の言葉が強い印象を残す。

 群馬県生まれの新井さんの岩手との縁は、民俗学を学んでいた大…

共有