金城一国斎さん(左)による伝統技法「高盛絵」の説明を聞く小学生たち=2024年10月18日、広島県三原市、稲田信司撮影

 伝統工芸の技と美への理解を広めようと、広島県の三原市立沼田小学校で18日、漆芸の出張授業があった。5、6年生の計15人が参加。来年2月19日から広島市中区の県立美術館で始まる「第71回日本伝統工芸展」(日本工芸会、朝日新聞社など主催)に関連した企画だ。

 同展で入選し、作品が展示される広島市中区の漆芸家、七代金城一国斎(きんじょういっこくさい)さん(59)が講師を務めた。漆の特性や漆芸などについて説明し、伝統技法「高盛絵」を実演。漆と砥(と)の粉を練り合わせた高盛漆を自作の筆で盛り上げるように描く様子に、子どもたちは身を乗り出して見入った。

 金城さんは「油がなくなればともしびは消えてしまう。伝統工芸も技を継承しないとなくなってしまう」と語りかけた。

 小学5年の高橋海葵(かいり)さん(11)は「ねっとりした漆を盛り上げて立体的になる工程が興味深かった。風や光のような形のないものを表現できるのはすごい。やってみたい」と話した。(稲田信司)

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