漁船から「OKハイブリッド炭漁礁」を海に投げ込んだ=2024年12月2日、千葉県館山市、堤恭太撮影

 下水汚泥を炭化させたものと製鉄の際に生まれる副産物のスラグなどを組み合わせた「OKハイブリッド炭漁礁」を使って藻場を再生させる実証実験が、千葉県館山市の波左間漁港沖で行われている。廃棄物をリサイクルして作った漁礁を海底に設置し、海藻を繁殖させ、二酸化炭素を吸収する試み。磯焼けが広がり、魚介類が減少して苦しむ漁業関係者への救いの手として期待される一方、気候変動対策にもなる取り組みだ。

 昨年12月2日、波左間漁港沖。漁船が次々と一辺の長さ約30センチ、重さ約5キロの三角錐(すい)の漁礁を海に投げ入れた。汚泥を炭化させた「OKハイブリッド炭」と、スラグ、セメントを組み合わせて作った約200個があっという間に海に沈んでいった。

 海中に投入した一部は、廃棄予定だったコーヒー豆用の麻袋の中に、漁礁と海藻を入れたものだ。アイゴやウニなど植食性の魚貝類に新芽を食べられないためだという。麻の目が粗いため、光を通し、海藻の成長を妨げないそうだ。

海藻の栄養塩になる漁礁

 この漁礁は、大木工芸(大津…

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