「水中墓」の探査に向かうダイバーら=2024年4月14日、長野県の諏訪湖、宮帯出版社提供
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 戦国武将・武田信玄の遺体が諏訪湖に沈められた――。そんな伝説を今も固く信じる人らの手で、湖底を潜水調査して「水中墓」の痕跡を確かめようとする試みが今月半ば、長野県下諏訪町沖の諏訪湖であった。湖の中はヘドロが積もっており、ダイバーが手探りで進める調査は困難を極めた。歴史ロマンに満ちた謎解きの結果やいかに――。

 湖底の調査は、茶道・歴史書が専門の宮帯出版社(京都市)の社長、宮下玄覇(はるまさ)さん(50)が同社の本の企画として提案した。宮下さんは幼少時、長野県諏訪市出身の母から「石棺に納められた信玄の遺体が諏訪湖の底で眠っている」と聞かされ育ったという。今回の調査は信州大諏訪臨湖実験所(同市)の元所長で、過去に湖底を調べた経験をもつ沖野外輝夫(ときお)・名誉教授(87)らの協力を得て実現した。

 湖底の探索に先立ち、今月10日に事前調査を行った。下諏訪町高浜の沖約500メートルの諏訪湖に同実験所の水中ドローンを投入し、湖底の撮影を試みた。14日の本調査には、全国各地から集まったダイバー6人がボートに乗って現場近くへ。水深約4メートルの湖底まで潜り、大きな石や金属といった固形物がないか探した。

約40年前から始まった謎解き

 「水中墓」伝説の解明をめざ…

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