写真・図版
テーマごとのグループに分かれ、能登の課題を話し合う参加者ら=2025年2月15日午前11時54分、石川県輪島市三井町洲衛、上田真由美撮影

 冬が長く、夏は高温多湿な能登では、多様な発酵食品が育まれてきた。

 酒、みそはもちろん、魚醬(ぎょしょう)の「いしる」「いしり」、魚のぬか漬け「こんか漬け」、「なれずし」……。

 里山里海の暮らしの知恵を凝縮した発酵は、食品だけには限らない?

 「のと発酵的復興会議2025」は、そんなことを思わせる参加型のイベントだった。

 2月15日、のと里山空港(石川県輪島市)に併設された仮設飲食店街。会議を呼びかけた森山奈美さん(52)は、全国から集まった参加者たちに語りかけた。

 「能登半島地震からの復興には長い年月がかかります。復興に向けての様々な動きはあるものの、どれもが厳しい道のり。でも確実に言えるのは、一つ一つの小さな取り組みの積み重ねが、能登の未来をつくっていくということ」

写真・図版
自ら提唱する「発酵的復興」について説明する森山奈美さん(右奥)=2025年2月15日午後1時33分、石川県輪島市三井町洲衛、上田真由美撮影

 森山さんは発災からまもないころ、自身のSNSにこうつづった。

 《創造的復興に関する意見のまとめをしていたら、『発酵的復興』という言葉が降ってきた》

 そのときのことを振り返りな…

共有