海上自衛隊が2028年度からの導入を目指す洋上監視用の滞空型無人機について、防衛省は15日、米ジェネラル・アトミクス社製の「シーガーディアン」を選定したと発表した。23機を導入する計画で、1機あたりの取得費は約120億円を想定。来年度予算案に取得費の一部を盛り込む。
日本周辺の海域で近年、中国軍艦艇による活動が活発化していることを念頭に、政府は22年策定の安全保障関連3文書で、洋上監視用の滞空型無人機の導入を明記。同機は全長11メートル、全幅24メートル、全高4メートルで、最大飛行高度は約1万2千メートル。武器や弾薬の搭載は考えていないという。赤外線カメラやレーダーなどを備え、地上から操縦し艦艇などを監視する。
選定にあたり、防衛省が提案を募集したところ、応募は同機のみだった。防衛省が機能や安全性などを評価し選定した。海自は昨年5月以降、日本周辺海域の警戒監視活動が無人機で代替可能かどうか、同機を試験運用して検証を進めていた。
海上保安庁は22年に同機を導入し、3機保有。密漁取り締まりや行方不明者の捜索などに使っている。(田嶋慶彦)