海底ケーブルの内部。中心にあるのが髪の毛の細さほどの光ファイバー。ここをデータが通る=NEC提供

 れんが造りの小屋の周囲には、無造作に草がのびていた。地元の長崎市民にもあまり知られていないこの小屋で、日本は150年前に初めて世界と通信でつながった。

 「国際海底電線 小ケ倉陸揚(りくあげ)庫」。かつて海底ケーブルを引き揚げ、陸上のケーブルとつないで送受信を行う施設だった。明治4(1871)年に長崎から上海、翌年にはウラジオストク間のケーブルがそれぞれ開通した。

 当時の日本には自前で海底ケーブルをつくって敷設する技術力はなく、外国の政府や企業に頼らざるをえなかった。

 明治政府はケーブルの敷設だ…

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