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海上保安庁で行われた「Live(ライブ)118」の訓練。現場から送られてきた映像が職員のモニターに映し出され、処置方法などのアドバイスを送る=2025年1月15日午前10時54分、東京都千代田区霞が関2丁目、増山祐史撮影

 海の事故や事件を118番通報した人が、スマートフォンを通じて現場の映像を海上保安庁に送る「Live(ライブ)118」と呼ばれるシステムが、18日から全国の管区海上保安本部で導入される。声や文字では伝わりにくい現場の状況を海保側が正確に把握し、迅速な海難救助につなげる狙いだ。

 「Live118」では、118番通報を受けた司令センターの職員が、音声で現場の状況を把握するのが困難などと判断した場合、通報者のスマホにショートメッセージサービス(SMS)でシステムのURLを送る。通報者がURLを開いて撮影に同意すると、スマホのカメラがシステムと自動で接続。カメラの映像は職員が見るモニターに映し出される。

 病人やけが人がいる場合、海保側から応急手当ての方法をまとめた動画を送ることができる。動画は心肺蘇生や止血のほか、漁師などに多い切断した指の保存方法など9種類に上り、職員も処置の様子を見ながらアドバイスを送る。撮影された映像は必要に応じて巡視船や救急ヘリにも共有され、速やかな救助につなげる狙いだ。

 大規模な海難事故などの際には本庁の司令センターにも映像が共有される。主な目的は海難救助だが、不審船を発見するなどした際の活用も想定している。

「118番」の認知度に課題も

 システムは神戸市のIT企業…

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