山村学園―浦和実 二回裏、浦和実は深谷のスクイズで野本が生還=2024年9月28日午前9時24分、県営大宮、恒川隼撮影

 秋季埼玉県高校野球大会(県高野連主催)は28日、県営大宮球場で準決勝があった。浦和実と西武台がシード校の山村学園と春日部共栄にそれぞれ勝ち、29日の決勝に進出した。2校は、10月26日から神奈川県である関東大会に出場する。浦和実は24年ぶり3回目、西武台は5年ぶり5回目。本多利治監督が今年度限りで退任する春日部共栄は、来春の選抜大会への出場が絶望的になった。(恒川隼)

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 西武台の加藤爽翔(2年)は、この日の春日部共栄戦が今大会で初先発だった。初球から振ってくる相手をテンポのよい投球で翻弄(ほんろう)し続け、四回までは三塁を踏ませなかった。五回に連打を浴び3失点したが、その後は持ち直し、八回のピンチも抑えて九回の逆転につなげた。

 この1カ月意識してきた「投球術」で、5年ぶりの関東大会をたぐり寄せた。

 きっかけは8月の新人戦だった。エースの追木渉登(2年)がけがで投げられない中、浦和麗明戦に先発したが6回で5失点。「正直なんで打たれているかが分からなかった」と振り返る。

 捕手とスコアを見返すなかで、変化球中心の投球が狙われていることに気づいた。監督とも相談を重ね、これまで遅いと控えていた120キロ台の直球やクイックモーションを絡めて、相手のリズムを乱すことを意識した。

 今大会では、準々決勝までの3試合でも14回1失点と好投。試合後、「自分が先発して関東大会出場を決めたことが何よりもうれしい。次の試合でも投げたい」と意気込んだ。(恒川隼)

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