GFANZが2050年の脱炭素化に向けて100兆ドルを投じる準備が整ったと宣言した国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の会場=2021年11月、グラスゴー、合田禄撮影

 最近のニュースや企業広告では、「脱炭素」という言葉がよく登場することにお気付きでしょうか。「カーボンニュートラル」という言葉もあります。専門外の方にとってはまだピンとこない言葉かもしれませんが、この言葉はどちらも二酸化炭素の排出削減に関するものです。

 ふつう、炭素をふくむものが燃えると二酸化炭素が発生します。二酸化炭素は温室効果ガスの一種です。人間の活動が原因でこの濃度が高まり、地球温暖化現象が起こっていると考えられています。地球温暖化現象によるものとして、気候の変化にともなう生態系の破壊、異常気象の増加、海水面の上昇などが挙げられます。いずれも我々の生活に悪影響があり、時事的な知識問題として中学入試でもよく取り上げられています。この悪影響を防ぐために、二酸化炭素の排出を実質ゼロにするのが「脱炭素」です。

 現在のところ、発電などのために化石燃料を使用して二酸化炭素を排出してしまうことは避けられそうにありませんが、大きな視野で見れば、問題なのは二酸化炭素を排出することではなく、大気中の二酸化炭素が増加していることです。

 よって、排出をゼロにするの…

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