「チャンスだな」
自民党総裁選の投開票があった9月27日午後。名古屋市の河村たかし市長(75)は、地元事務所のテレビで、石破茂氏と高市早苗氏の決選投票の結果を確認すると、口元を緩め、こう続けた。
「高市より石破の方がええに決まってるがや」
その場にいた関係者は「(河村氏が)衆院選に気持ちが大きく傾いた」とふりかえる。
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河村氏は4日後の1日、10月27日投開票予定の衆院選愛知1区(名古屋市東区など)から立候補する意向を表明した。
総理を狙う男――。衆院議員から転身し、2009年に市長に就任して15年。長年口にしてきたキャッチフレーズは支持者の間でさえ、冗談のように受け止められていた。
だが昨年10月、作家の百田尚樹氏らが立ち上げた「日本保守党」の共同代表に就任。このころから、国政復帰に向けた動きが本格化し始めた。
居酒屋で伝えた「ファイナルアンサー」
同党の国政政党化を掲げ、名古屋市内の小選挙区や比例東海ブロックを中心に候補者選定を進めた。ただ、自身の立候補については、「南無阿弥陀仏」と繰り返し、態度を明らかにしなかった。
複数の関係者によると、周囲に国政転身を告げたのは、石破氏が衆院の「10月27日投開票」の意向を表明した9月30日だった。
名古屋・栄の居酒屋の個室に…