写真・図版
差別根絶の願いをこめた自作彫像「解放へのオガリ」の前に立つ金城実さん

 反差別・反戦を訴える活動と創作で知られる沖縄在住の彫刻家・金城実さん。天皇制と沖縄の関係について、自らの体験を踏まえながら語りました。

 昭和天皇は戦後、沖縄訪問をしたいと希望しつつ実現できませんでした。今から50年前には、ひめゆりの塔を訪れた皇族に火炎瓶が投げられる事件も起きています。どんなことが背景にあったのでしょう。

沖縄訪問の願い、かなわなかった昭和天皇

 昭和天皇は戦後に沖縄を訪問したいと願っていたものの結局実現しなかった、と伝えられます。戦前と戦中に国家の最上位に君臨していた身として責任を感じていたからこそ沖縄訪問をしたいと願い、またその歴史があったからこそ実現もしなかったのだろう、と私は思います。

 私の父は、沖縄の離島から新婚の母を置いて志願して兵隊になり、戦死しています。戦地から母に送った手紙には、子どもを立派な日本人に育てるようにと書いてありました。

■差別される者たちの「悲しい…

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