厚生労働省は8日、各分野で卓越した技能をもつ「現代の名工」に、今年は138人を選んだと発表した。
東京・麻布十番などでそば店「更科(さらしな)堀井」を営む堀井良教さん(63)は、江戸時代に生まれた「更科そば」の技術を継承しながら、その魅力の発信に努めているとして、名工に選ばれた。
創業は1789(寛政元)年。大名屋敷などに出前を届けており、そばが伸びにくいように、そばの実の芯だけを使った白いそばを作った。
祖父の代で一度廃業したが、堀井さんが大学を卒業した1984年に父と一緒に店を出した。大量生産が主流となりつつあったが、「丁寧に手をかけた方がおいしい。戦後失われた技術を復活させよう」と考えた。
イタリア、アメリカへ
かつてのれん分けした更科そ…